オーストラリアのホスピスで働く看護師が、余命数週間の患者にこう問いかけたそうです。
人生で一番後悔していることは何ですか?
もう体裁を気にしても仕方ない、人がどう思うかを気にすることに何の意味もない、自分の人生はまさに終わろうとしている。
そんな人たちから出てきた言葉には繕った部分などあるはずもなく、しかもほとんどの方が口にした「人生の後悔」は、驚くほど同じだったそうです。
1.人の期待に応える人生ではなく、自分に正直に生きる勇気がほしかった
2.あんなに働かなければよかった
3.勇気を出して、自分の気持ちを伝えればよかった
4.友達と付き合い続ければよかった
5.自分が幸せになるのを許せばよかった
昔は、自分が置かれた環境によって自分の幸福度が左右されると、漠然と思っていました。例えば、自分のやりたい仕事ができるとか、良いパートナーや友人に恵まれるとか。
でも、自分を幸せにできるか否かは、実は環境には関係なく、純粋に自分の責任なのかも?とそんな事を実感することの多かったこの一年余り。
私って何をしてる時がハッピー?実は何がしたいの?昨日まで好きだと思っていたことって、本当に好きなこと?今ここに居たい?居たくない?今これが食べたい?食べたくない?
そんなふうに自分の本音を引き出すこと(これが非常に難しい)に取り組んでいたそんな折り、YouTubeである動画を発見。「幸福学」というタイトルに惹かれて何気なくクリックしました。
おとなりのオレゴン州、ポートランド州立大学のある教授の講義だったのですが、その講義で冒頭の「人生で一番後悔していることは何か?」の話が出たのです。
死のうとしている時、人間が思うことって何なんだろう。私があと2週間でこの世を去ると分かっていたら何を後悔するだろうか?
そんな興味にそそられて、55分と長い動画でしたが気がついたら最後まで見てしまっていました。日本語の吹き替えになっているので、お時間のある時に皆さんにも是非見てもらいたいです。この記事の終わりのほうに動画を貼っておきますね。
ここで皆さんに質問です。
いま、あなたは幸せですか?
又はもっと焦点を合わせて
今日、あなたは幸せだな〜と感じていますか?
もしそう感じていないとしたら、それは何が原因でしょう?仕事でへとへとに疲れているから?パートナーとケンカをしてしまったから?子供のことで悩んでいるから?職場で上司に怒られたから?人に冷たい言動を取られてしまったから?
ではその原因が認識できたとして、さて、どうしましょう?どうすれば自分の気分をまた良い状態に戻すことができるでしょうか。これが難しいところですよね。
このプロセスを上手に、しかも短時間でこなすには己を熟知している必要があります。落ち込んだ時には自分はこれをするとまたハッピーになるの。この音楽を聞くと、これを食べると、この映画を見ると、ここに行くと、この人と話をすると、良い状態に戻っていけるのよと知っている人は、自分を分かっている人であり、自分の悲しい時間を最短に抑えられる人であり、すなわち自分を大切にしている人であると言えます。
私がこれが上手く出来ませんでした。今は随分とマシになりましたが、まだまだ訓練中です。それで上述したように、自分は何がしたいのかを常に自問するようにしている次第です。
講義の動画を見ていて「これはしめた」と思ったのは(笑)
誰でもすぐに「幸福感」を感じられる、万人に効果のある方法を、教授が提言していたからです。
人間って、人に親切にされたら嬉しくて幸せを感じますよね。なので自分に優しくしてくれる人が周りにいることが幸せの条件のように思ってしまいがちです。
が、実は
人に優しくされるより、人に優しくするほうが
人間は幸福感をずっと顕著に感じる生き物なのだそうです。
つまりハッピーになる簡単な方法は、人に親切にすること。それもただ親切にするだけでなく
それを文字にして書き出して、それを目で見て、自分できちんと認識することなのだそう。
親切と言っても些細なことでいい。渋滞の高速でウインカーを出してる車を前に入れてあげた、電車の中で妊婦さんに席を譲った、バスを降りる時運転手さんにありがとうございましたと言った、同僚の新しいヘアスタイルを素敵ねと褒めた、清掃してくれるおばさんにいつもありがとうございますとお礼を言った、遠くで一人暮らしをする親に電話をして声を聞かせた、洗濯物を取り入れてくれていた娘にありがとね、助かるわと礼を言った、毎日遅くまで働いている伴侶にお疲れ様ですと感謝の気持ちを伝えた。
今日はどんな親切をした?と自分に問いかけて、手帳に書き込んだり日記をつけたりする。それが相手のためではなく、「自分」の幸せのために非常に大切なのだそうです。
「人を支えることで自分の幸福感は高まっていく」は、単なる仮説ではなく研究と調査によってしっかりと立証されているそう。
人間って奥深いというか、本当に面白くて愛すべき生き物ですね。その幸福に不可欠なのは、人にサポートされることではなく、人をサポートすることだなんて。
あと講義の中で非常の興味深かったのは、幸福感は伝染するということ。
これも20年に渡る研究で明らかになったそう。幸せな人の周りには幸せな人が集まりやすい。
それは分布図ではっきり示されていました。しかも同じように、不幸感も伝染するらしいです。
職場やご近所で、人の陰口を叩いたりゴシップを撒き散らす人が周りにいませんか?そういう人からは少し距離をおいたほうがいいかも?
日々のニュースを見ても気持ちの暗くなる時事ばかりが続きますが(特にここアメリカでは、新大統領が誕生してから不安な気持ちを抱えている人が多いですが)
そんな中でも何かポジティブな事、人の良いところ、人を褒めること、嬉しかったことなどなど、
幸せを言葉にする人
そういう人の周りにいるようにする。またはもっと重要なのは、自分がそういう人になる。
それがしいては「私」が幸せになる、鍵のようです。
自分を幸せにする術って、なんだか高度なアートのよう。子供の頃にはおそらく誰もが自然と知っていて、でも大人になるにつれて忘れてしまった術のようです。
それを習得し直すのが
生きている意味なのかもしれませんね。
ポートランド州立大学の教授の講義、ここには書ききれない大切な知識とメッセージがいっぱいでした。アメリカに暮らす者として、結婚している者として、親として、教師として、または日本人として。考えさせられる事の多い55分でした。
皆さんとシェアさせていただきますので、お時間のある時にぜひ。
レニアさんへ。
はじめまして。現在、鹿児島に在住しているものです。
ふとしたきっかけでこちらを知り、この記事を読んで、なぜか涙がとまらなくなりました。
きっと涙が出たのは、私自身がこれからの自分の未来に「諦め」をいだいているのに、自分で気づいてしまったからなのかもな〜?なんて思った次第です。
本当は幸せなのにね、、、ってどっかで誰かに言って貰いたい。
自分が本当に大事にしている人に。でもそれが出来なかったり、相手に求めすぎたり。
でも、あれこれそうこう思うなら、なりふり構わず「言ってみる」「やってみる」「後悔してみる」それでいいのかも、って感じます。この瞬間が「幸せ」って案外わからなくて、レニアさんがおっしゃる「己を熟知する」ことの大切さが私には必要なだと感じました。やるぞ!って思う時に「でも」「だってなーー」ってなることがあまりに繰り返されてて、癖?みたいになってるかも。。。。自分のことを幸せにも不幸せにもするのは、結局「だれか」ではなく「自分」ですね。。。。
週末に、とってもいいことをレニアさんのブログで知ることができて、とっても幸せです。
ありがとうございます。
鹿児島は今日も暑いですが、夕方頃は太陽に映える桜島がとってもキレイです。
レニアさんにとって、良い一日が続きますように。
LOVE
LOVEさん、初めまして。
真摯なコメントをどうもありがとうございました。
「ダメもとでもとりあえずやってみる。それで失敗してもその経験から学ぶことがある」と言葉で言うのは簡単ですよね。でも実際行動するのは容易くないですね。わかります。
人間は本能的に変化を避けて、現状を維持しようとする生き物だそうです。たとえばかすり傷が出来ても体は自動的にそれを元の状態に戻しますよね。心も同じように働くんだそうです。居心地の良い現状からかけ離れたことにトライしようとすると、自然と抵抗反応が起きるのだとか。それは生存維持のメカニズムに深く関わっているから。
ただ、自分の究極の見方は自分ですから、自分が自分の未来を諦めてしまったらLOVEさんの心がちょっとかわいそうかな?寂しがっているかもしれません。
自分のことだけは見捨てないであげましょう。私もそうしてます。
新しい事にチャレンジする時は「本能に逆行するような事をしようとしてるんだから、怖くて当たり前、上手く出来なくて当たり前、スローな進歩で当たり前。私はわかってるよ。ダイジョブダイジョブ。」と自分を励ましながら焦らずのんびり行きましょう。(^^)
夕日に映える桜島、懐かしいです。日本は猛暑だそうですね。シアトルは20〜27度ぐらいの過ごしやすい夏を迎えています。
どうぞ素敵な一週間をお過ごしください。
レニア